大層偉そうな事を書き殴っていますが、私の場合プログレについては後追いで聴いたものがほとんどです。(”プログレ”にはあまり分類されませんが)ジミヘンやフーなど真面目に聴き始めたのは、恥ずかしながら35歳過 ぎてから。この辺の音を全く聴くことのない時間が、少なくとも10年はありま した。今にして思えば、勿体なかったなあ・・と思います。70年代後半、コッ ポラの「地獄の黙示録」を観て思わず買った、DOORSのファースト・再発盤の帯 の裏に、(最近漸く手に入れた)ジミヘンの”Rainbow Bridge”のどうでもいいよう なLPの広告を寄りによって”Rainbow Bridge”を買ったその日に偶然見つけてしま ったなんて情けない話がいくらでもあるの です。そんな中で EL&Pは、私がリアルタイムで聴いた数少ないアーティストのひとつです。 中学三年生の時に初めて”TRILOGY”を友人に借りました。・・・当時私は、まとも なレコード・プレーヤーを持っていませんで、私が使っていたのは祖父からかすめ取った「電気蓄音機」(5球スーパー+プレーヤー)のプレーヤー部分(クリ スタル・カートリッジ付き!)を抜き出して、FMラジオに接続したもの。当然モ ノラルです。粗悪な造りのため、レコードの溝が減りやすく、それが明らかにな ってからは私にレコードを貸してくれる友人は急激に減ってしまいました。家計 を牛耳っていた母は、ステレオ購入の唯一無二の条件として、「志望高校合格」 というエサを掲げ、それに反発した青春の燃えたぎる血が誤った方向に進むのは もう時間の問題であったその時に、心優しい一人の友人が手をさしのべてくれた のです。(角掛君、その節はありがとう!)そんな訳で、私のプログレ体験の第一歩は 、EL&Pでありました。そして数日後、レコードを観に(買いに、ではなく) 某レコード屋にいった時に、どうもグレッグ・レイクのヴォーカルのようなえら く哀しく美しい曲を聴き、当時からSHYだった私は店主に訊くこともできず、一 生懸命レーベルを読みとろうとして挙げ句の果てに目が回って具合を悪くしてし まった、という苦い想い出があります。その曲はあの「クリムゾン・キングの宮 殿」だと1ヶ月後に知り、レコードを購入したのは言うまでもありません。感動 のお裾分けとばかり、母と二人でこのアルバムを聴いたりしたものです。(いったいどんな親子や・・)

Trilogy(トリロジー;1972)

そんな訳で、私とEL&Pとの第三種接近遭遇は、よりによって「展覧会の絵」や「タルカス」ではなく、「トリロジー」でありました。後年その作品 を見渡してみると、このアルバムはちょっと特殊な位置を占めているように思わ れますが、プログレ初体験の私にとってはそれなりにインパクトのある音でした 。当時は”The Endress Enigma”のイントロなどに、かなり不気味な感じを抱いたも のです。 ハイライトは、やはり”HOWDOWN”でありましょう。楽曲・テクニックのわかりや すさ&スピード感は、無数のロック少年少女たちのハートを捕らえ、この一曲に よって運命を変えられた鍵盤弾きの数しれぬ事!(後に登場する”Ladies&Gentlemen” での超高速テイクも特筆モノ)また、アナログB面の”Trilogy”のいわば第二部(CDなら3:05あたり)の、ピアノにリズム隊&シンセが加わる箇所など、 今でも鳥肌が立ちます。神秘的なイントロに対して妙に明るいヴォーカル、取ってつけたような終焉を 迎える一種不思議な曲展開も特徴的ではあります。続くレイクのお遊びヴォーカル が笑える”Living Sin”はさておき、最後の”Abaddon’s Bolero”は、エマーソン入魂の問題作です。当時はポリフォニック・シンセの登場前ですから、多重録音に相当 のエネルギーが費やされたことは明白で、それは堂々とした曲調にかなりの効果 を与えています が、EL&P独特のスピード感とは無縁なこの曲が、アルバムとしての評価を イマイチなものにしていることも否定できないよーな気もするのです。・・・個 人的には、このアルバムは大好きなんですけれど。

Pictures at an Exhibition (展覧会の絵;1972)

発売時にはおそらくEL&Pを知らない人々への偉大な窓口でありました。へたをすると、ムソルグスキーへの入り口でもあった訳で、そんな意味では確実に音楽人口を増加させたと断言できるおいしい一枚。しかし、冒頭「プロムナード」のパイプオルガンが荘厳に響き渡ると、そこはもうまさにEL&Pの世界で、このあたりのアレンジメントは秀逸です。
以後、少なくともA面の「ブルース・インプロヴィゼイション」までについては彼ら独自の世界が展開していきまして、レイクの「賢人」など非常に良いアクセントになっとります。尚かつ、「バーバヤーガの小屋」から「キエフの大門」、そして「ナットロッカー」へ至る流れは問答無用です。
「EL&Pの世界」とあえて申しましたのは、発売当時の業界のキャッチコピーであった例の「ロックとクラシックの融合」とやらは売りとしては解りやすいけれど、実際には「ロックによるクラシックの強姦(表現が過激ですまん)」とも言うべきEL&P独自のアグレッシヴな解釈を目の当たりにする結果となったからです。おそらくキースがこの組曲から得たのはスコア及びライヴのアイディアであり、作品としては全く新しい地平を目指していたに違いありません。

Tarkus (タルカス;1971)

B面のPOPな作品集も興味深いですが、何といってもA面タイトル曲の偉大さにつきますね。数ある70年代のプログレ組曲の中にあって、間違いなく五指に入る名作と断言出来ます。印象的なリフに始まる(カッコイイッす)、一部の隙も無く構成された破壊と再生の一大叙事詩を我々が満喫出来るこの幸福!私見としましては、この作品の最大の魅力は、その「視覚イメージを喚起する力」に在るのではないかと思います。レコードジャケット(内・外)に展開される”タルカスの物語”はそれ自体分かりやすいですけれども、この組曲は実際に聴いた人々がその各場面を容易にイメージでき得る素晴らしさをたたえておりますね。そしてこれは、この作品の発表当時、EL&Pが他のプログレ・バンドに抜きん出て爆発的ポピュラリティーを獲得し得た要因の一つではないかとも思うわけです。まあアナログ時代はレコードジャケットを開いて眺めつつ音楽を聴く、というのが正しい聴き方であったのですが・・・この曲はまさにそういった聴き方が楽しめる名曲です。「ああ、そうか、これこの辺り演ってるのね」なんてね。また更なるポイントとしては、まだ実験段階にあり、認識としてはまだおもちゃであったらしいムーグ・シンセサイザーという「機械」を、(当時としては)大変な可能性のある「楽器」であることを証明して見せた作品でもあるという事ではないでしょうか。
B面につきましては私あまり聴き込んでいませんので偉そうなことは言えませんのですが、
96年に「Bitches Crystal」をナマで聴けたのは嬉しかったです、ハイ。

Brain Salad Surgery (恐怖の頭脳改革;1973)

ギーガーのジャケットが秀逸でしたね。「エイリアン」でこの作風と再会した時はうれしかったっす。さて、一曲目の「聖地エルサレム」を初めて聴いたとき は、こんなに美しく神々しくかつメロディアスで勇壮な曲を創るとは、やはりキ ース・エマーソン、天才じゃ天才じゃと騒いでいたのですが、実はこの曲、讃美歌かなにかが原曲だったのですね。 EL&Pの場合はこのパターンが結構多いですが、まあいいか。勿論、大曲「悪の教典」は彼らの屈指の名曲で、特に”第一印象”は素晴らしい !!シンフィール ドの猥雑な歌詞、複雑そうで実は単純な曲構造、キーボードがなければタダのハ ードロックになりかねないところを、キースの魔術的な指が独特の世界を創りだしています。レイクのギターもおいしく結構シブイです。アナログのライナーのも記載されていた通り「パート1」で一部キースがボーカル をとっているとのことですが、どの辺なんですかね?高校生の頃からどうもよく解らず、「お前 耳がどうかしてるんじゃないか?」なんて友人にからかわれていたものです。私、こんなものを書いている割には、人様の声やら顔やらの聴き分け見分けが極端に苦手なこともありまして、 25年たった今も良く判らないままです・・・なんて書いていたら、最近有力な情報を頂きました。あのヴォーカルはやっぱりレイクとのこと。キースのインタビュー本にも「あれは間違い」と、本人の指摘もあるそーな。うーん。なんかほっとしたぜ。(S DANさん、多謝多謝)ところで、「第一印象パート1」から 「同パート2」がちゃんと繋がっている最近のCDは、アナログ世代には居心地の悪いような妙な気がします・・・。  

Ladies And Gentlemen (レディース&ジェントルメン;1974)

YESの項で、発売当時は”YESSONGS”と比較するとちょっと格が落ちる・・などと大変失礼な事を言ってしまいましたが、99年3月に紙ジャケシリーズが発売されたのを機に私も思わず買ってしまいました(アナログ盤も持ってませんで70年代に友人に録って貰ったスコッチのテープしかなかったのであります)。「K.B.F.H.」版で一部”素のまま”の音はCDで聴けたものの、中学生の頃に胸をときめかせて聴いた思い出を取り戻せたような気が致します。
のっけから「ホウダウン」の速度に圧倒されますが、もはや別の曲と言っても良い程のエナジーが炸裂しとります。「聖地エルサレム」&「トッカータ」も「頭脳改革」の発売直後ということもあって初々しく、トッカータに至ってはアレンジも変えているなど嬉しい限り。最大の聴きものはエマーソン全盛時の技巧が冴える「ピアノ・インプロヴィゼイション」ということになりそうです。件の紙ジャケ盤のライナーにも書いてますが、エマーソンのルーツ、音楽的な背景が素晴らしいテクニックと奇跡的に澱みない展開で聴くことが出来るという非常に興味深い作品です。胃歩宇個人的に思い入れが強いのは「タルカス」ですかね。なにしろ私はクリムゾン・オリジナルより先にこの曲で「エピタフ」を知ったというお目出度い人ですし、スタジオ版に比べて音の薄さが多少気にはなるものの、やはり当時の元気なタルカスはひと味違いますよ。ほとんどこの曲のためにこのCD買ったようなものですもんね。なんだかんだ言っても、やっぱり偉大な記録です。

Works Volume 1(EL&P四部作;1977)

前スタジオ作より4年、我々は待ちに待った。待ったかいが・・・あった?発売時に渋谷陽一のFM番組をエア・チェックしながら衝撃を受けたプログレオヤジ予備軍は全国に一体何万人いたことでしょう。(当時のEL&Pへの期待感を一気に爆発させるが如く、確か1時間の殆どを使って新曲の数々がオンエアされた、と記憶しております。)何しろ「恐怖の頭脳改革」に慣らされた耳に聞こえてきたのは純然たるクラシックであったりマカロニ・ウェスタンの映画音楽みたいな曲だったりしたのですからねぇ。私もはっきり言ってとまどいましたよ。一体EL&Pはどうなってしまったんだ?ここから何処へ行ってしまうんだ?実際今から思えば当時のプログレ・シーンではどのバンドもマンネリをどう打破するか悩んでいた風ですし、また一旦頂点を極めてしまったこの偉大なバンドも煮詰まっていたに違い無く、特にバンド、という意味合いではこれが迷走の始まりではありました。頑張っていたのは本気で「クラシック」を創ろうと野望に燃えていたキース・エマーソンだけで、カール・パーマーに至っては付き合って行くのも大変で、相当慣れない仕事に四苦八苦していたのではないか、とも思われます。
さてこのアルバム、アナログ3面分を各メンバーのソロに充て、最終面のみEL&Pとしての演奏というやはり論議を呼んだ構成になっておりますが、一般の評価としてはエマーソン・サイドとEL&Pサイドだけで良い、という厳しいモノとなっている模様です。確かにグレッグ・レイク・サイドは予想通り砂糖菓子の様な甘さですし、パーマー・サイドはどうも焦点がはっきりしないごった煮的な出来になっていますし、この辺は仕方がないでしょうかねぇ。一方エマーソン・サイドのピアノ・コンチェルトはクラシックの判る人には判る(らしいです)正統的な構造になっており、エマーソンの意気込みが充分伝わってくる作品です。私はクラシックはさっぱり聴かないオヤジですが、この曲は随分聴きまして結構慣れ親しんでおります。それから最終面の「庶民のファンファーレ」と「海賊」ですが、私も最初はとまどったものの、じっくり聴いていくといずれも壮大なスケールを感じさせるなかなかの大作ではないか、と感じるに至っております。特に「海賊」のいイントロなぞ、今聴いてもゾクゾク致します。再結成後もライヴで演ってますし、本人達もかなり気に入っていたのかも知れませんね。

寄り道;96年の日本公演について

再結成 EL&Pが96年に日本にやってきまして、私は中学生当時から彼らの大ファンだった小野寺君に誘われて10月14日の仙台公演を観に行きました。意外に若 い層が多く、びっくりしたような&うれしいような気が・・・。会場内に入って さらに驚いたのは、ほぼ中央のミキサー卓から後方がほとんど空席だったことです。かつては後楽園球場を熱狂させたアーチスト、さほど大きな会場ではなかっ た(イズミティ21)だけに、ちょっと寂しいモノがありました。しかしながら 、ライヴの内容は非常に充実しており、1時間30分あまりのやや短めではあり ましたが、”HOWDOWN”からスタートしたステージは、(どっちかというとノスタルジーに浸った)観客の熱烈な盛り上がりの中、幕を閉じたのでした。心配されて いたキースの腕の状態もそんなに気にならないほどで、カール・パーマーなんて当時の数倍ドラムがうまくなっていたように感じます。個人的にはレイクの太りすぎがやや心配です。エイジアのころからますます太ってないか?ところでアン コールでは、「ロンド」&「アメリカ」も登場。キースがこれ見よがしにステージ左側の天鵞絨のカバーを取り払うと、そこにはあのハモンドオルガンが!歳も省みずその上に乗ったり下敷きになったり、お約束のナイフを刺したりしてくれるまさに芸人の鑑、キースの勇姿に、私はマジで!目頭が熱くなったぜ!!と言うわけで 、私はいまつくづく思う。

キース・エマーソンはいい人だ。

ところで、 再結成 EL&Pの 92年 日本公演について、 パレットさんのホームページ に良い話があります。(キング・クリムゾン/クリムゾン・キング の宮殿の項です。)是非ご覧下さい。

Live At The Royal Albert Hall (1992)

そんなこんなで、このアルバムを未聴だった私は、興奮醒めやらぬ仙台公演の翌日に迷わず購入しました。冒頭、「悪の教典♯9」でのレイクの野太い声も、前日の記憶が鮮やかなだけにさほど気にならず、その点では私は幸運であります。続く「タルカス」はイントロからスタジオ盤を凌駕する出来に驚きました。「クレオール・ダンス」も魅せてくれますねえ。「スティル・・・ユー・ターン・ミー・オン」や「ラッキー・マン」などの、かつてのレイクの透明感あふれる声質がポイントとなる曲はやはりちょっと辛いモノがありますが、そこはまあ、芸というか貫禄でカバー。後者は、このツアーから定番化した3人の演奏によるヴァージョンで、「肋骨を振るわせるような」ムーグ(っぽい)音色がとても心地よいです。全体的に、キーボード群の進歩に伴い音はかなり厚くなって安定していて、EL&Pの90年代版再編としては大成功だと思います。しかしながら、90年代の新曲の印象がやや薄く(これは96年公演ではさらに極端になります)、過去の再現というレベルに留まっている印象があり、この辺はやはり惜しまれます。後半はキースの活躍が何といっても圧巻で、エネルギッシュな演奏は素晴らしいです。「海賊」の演奏なんて70年代のライヴの数倍良い!最後の「庶民のファンファーレ~アメリカ~RONDO」のメドレーは問答無用のキースの独壇場で、文句いう人はいませんよね?

Live at the Isle of Wight Festival(1998)

これは待ったなぁ。最初は通販で流通していて、一般に出回るには非常に時間がかかりましたしね。さて、96年の春頃にワイト島のライヴを収めた映画が20年余を経てようやく公開の運びとなり、私もNHK-BS2でそのダイジェスト版を見ることが出来たのであります。そのフィルムで遭遇したEL&Pの、というかキース・エマーソンの勇姿は格好良かったでー。私が見たのは「展覧会の絵」&「ロンド」の一部のみですが、エマーソン、最高です。抑制(していてたんでしょうケド)は微塵も感じさせないです。ですから、この作品、一回発売延期した時は当然悶絶致しました。直前にジェネシスの「アーカイブ」の連続延期事件があっただけに現品を手中にするまでは、かなり発売に不安を抱いたものですよ。マジで。
そしてこのアルバムは、紛れもなくEL&P黎明期の「記録」だったのであります。良くも悪くも・・。EL&Pとしてのデビュー2公演目のパフォーマンスだった訳ですが、演奏の出来は確かに後年に比較するとイマイチです。ビデオ版「展覧会の絵」の”キエフの大門リズム大コケ事件”を彷彿とさせる瞬間なんかもあったりして、なーんか神経ビリビリさせて聴いちゃいました、私は。天下のEL&Pもこういう日々があったのね。しかしながら、「ロンド」の前半、徐々に意気が合ってくるあたりは鳥肌ものですよ。私はEL&Pの真摯なファンだ!とは胸を張って言えない人ですが、この辺りは最近には珍しく感激の至りでした。ただ、願わくは映像版で観たいです。音のみとは、おそらく印象が全然違うはずですから。

THEN & NOW (1998)

輸入盤発売の噂を聞いてから、割合に早く国内盤が出ましたね。圧倒的に期待していたのはやはり「THEN」編である74年の有名な「カリフォルニア・ジャム」の音が漸く聴ける、というポイントでした。同イベントにD.パープルが出演し、ギターのあの人がなにやら怒りまくってストラトでTVカメラをぶっ壊したのが、心温まる70年代の逸話として語り継がれております。一方キース・エマーソンはピアノを弾きながら地上約10メートルで回転(状況的には前転)、35万人というオーディエンスの度肝を抜いた上、本人はとても具合が悪くなったそうです。ともあれ、音質はイマイチですが、大全盛期のEL&Pもパフォーマンスの片鱗(コンプリートではありません)を堪能出来る、という点で合格。特に「ピアノ・インプロヴィゼイション」はキースの絶頂期の演奏の魅力を余すところ無く魅せてくれます。これだけで”買い”だと個人的には思っております。次は映像方面の完全版を期待致しましょう
さて、「NOW」編はというと、これもまた実は侮れないのであります。グレッグ・レイクの声がますます図太くなっているのが多少気にはなりますがそこは目をつぶって頂くとして、「ホウダウン」でのややもたつき気味のキースは許して頂くとして、妙にドタバタしているカール・パーマーは笑って誤魔化して頂くとして・・・全般に落ち着いた演奏ぶりにほっと安心致します。「ピアノ・コンチェルト・第三楽章」など特に胸に迫るモノがありませんか?それからちょっと飛びますが、初心に帰った(?)「21馬鹿」も、これはこれで説得力があります。元祖クリムゾンの一人の意地を見たような気がします。と言うわけで、コアなファンと90年代のEL&Pについて何らかの予備知識をお持ちの方はOK!70年代の彼らの記憶しかない方にはちょっとキツイかも、というアルバムでしょう。